ユーザーが損をするのは確定的にクローズエンドです!
トラックのファイナンスリースには、「オープンエンド」と「クローズエンド」という2つの契約形式があります。
結論から言えば、ユーザーが損をするのは確定的にクローズエンド契約です。
リース満了後に車両を返却してしまうこの方式では、せっかく支払ってきたリース料が資産として手元に残らず、再利用も転売益も得られない構造になっています。
見た目はシンプルでも、運送会社にとっては利益を逃す契約形態です。
オープンエンドが一般的 ― トラックファイナンスの基本構造
運送事業でトラックのファイナンスを利用する際、
運送業に慣れたリース会社であれば「オープンエンド」もしくは「購入選択権付きリース」が一般的です。
オープンエンドとは、リース満了時にあらかじめ決めていた買取り残価で購入できる方式のリース契約です。
なぜこの方式が一般的なのかというと、トラックの使用年数は約15年と長く、5年で返却するリース契約は実際の運用実態に合わないためです。
リース満了後は、経費のかからないトラックで仕事を続けられることが利益につながります。
また、リース満了後に残価で購入し、売却しても購入価格より高く売れることが多いため、クローズエンド契約はユーザーが損をする契約だといえます。
クローズエンド契約でリース会社が損をする稀なケース
大手の運送会社でまれに見られるのが、高残価型のリース契約です。
たとえば「5年後に物件価格の50%を残価に設定し、月額リース料を下げる」手法がこれにあたります。
5年後の中古トラックの相場やリース期間中の走行距離、使用状況によっては、
実際の価値が残価を大きく下回り、リース会社が損をすることもあります。
特に、リース会社の経験が浅い上層部が判断した際などに起きやすく、
走行距離や使用状態が想定以上に劣化してしまうケースも見られます。
ユーザーにとってはメリットがある契約ですが、
リース会社側が損をするような契約は非常にまれだといえるでしょう。
なぜクローズエンド契約が存在しているのか?
では、なぜこうしたクローズエンド契約が存在するのでしょうか?
それは、大手物流企業と中小企業では会計基準が異なるためです。
近年のリース会計基準の見直しにより、
リース会社がクローズエンド契約を提供するケースが増えています。
特に、資本金5億円以上の大企業では、簿外債務処理を行うためにクローズエンド契約が望ましいとされています。
一方で、中小企業にとってはこのメリットはほとんどありません。
中小企業のリース会計指針 ― オープンエンドでも簿外計上が可能
資本金5億円以下の運送会社(全体の約99%)は中小企業に分類されます。
この中小企業では、オープンエンド型リースでも従来通り簿外債務として計上可能です。
つまり、自己資本比率や負債総額を有利に見せることができるのです。
それにもかかわらず、知識不足の税理士がリース資産とリース債務を両方計上してしまい、結果的に自己資本を下げてしまうケースも少なくありません。
経営者は自社の財務を正しく見せるためにも、税理士に対して正しいリース会計の指導を行うことが重要です。
会社の見え方一つで、金融機関からの信用にも大きな差が生まれます。
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