運送事業の事業計画の作り方

② 運送事業の黒字化支援Blog

銀行融資や社内目標の設定などに活用できる、運送会社のための事業計画の作り方を解説します。

銀行融資や社内目標に使える「運送会社の事業計画」とは

第三者が企業を評価する際、注目するのは「過去・現在・未来」 の3つです。

このうち、“未来”を示すものが事業計画=会社の将来像です。

運送会社の社長は、この「未来の描き方」を理解しておきましょう。

① 過去〜現在のレポートを整理する

まずは、過去2期分の決算書を準備し、売上や利益の推移、成長率を把握します。
好調でも不調でも、事実は事実として明記することが大切です。

② 現在の課題と行動方針を明確にする

次に、今期の試算表や主要取引先との関係性、現状の課題と行動方針を整理します。

特に重要なのが「日計表」を活用した 1台ごとの利益率の可視化 です。
荷主別・コース別の収益性を見える化し、
赤字案件には「運賃交渉」または「撤退」を検討することが、改善の第一歩になります。

③未来の計画を“数値”で宣言する

過去の決算、現在の試算表、日計表のデータをもとに、今後の成長を数値で表現しましょう。

  • A:売上成長目標
    取引先拡大や運賃交渉による売上向上を明確化。
  • B:営業利益の目標
    収益性向上のための生産性アップ、間接コスト率削減を数値で設定。
  • C:必要なファイナンス計画
    運転資金・設備資金などの資金計画を具体化

数値で未来を描くことで、銀行や社内に成長の道筋が明確に伝わります。

シンプルな運送会社の事業計画の書き方(銀行提出にも使える)

① 過去|前期決算

売上2,000万円/月(年間2億4,000万円)
利益−50万円/月(年間−600万円)
累積赤字−1,800万円
間接コスト400万円/月(間接コスト率20%)

② 現在|試算表 & 現状の課題

売上2,000万円/月(年間2億4,000万円)
利益−50万円/月
台数20台
間接コスト400万円/月(間接コスト率20%)

現状の課題

  • トラックの償却負担により赤字
  • 販管費率が高く、生産性が低い
  • 銀行融資はリスケ中で、キャッシュフローが限界
    ※ 課題を抽出するには、現状把握が必要です。

<前回記事参照>
運送事業の黒字への道 見える化が初めの一歩
運送会社が黒字化するための「収益性の見方」と「生産性の上げ方」

③ 未来|事業計画(目標数値)

売上3,000万円/月(年間3億6,000万円)
台数30台
利益+100万円/月(年間+1,200万円)
間接コスト440万円/月(間接コスト率15%)

そのための行動指針

① 全車両の収支を可視化
 日計表で赤字荷主・赤字コースを明確化し、 必要に応じて運賃交渉、または撤退の判断を行う。
② 間接コスト率を5%改善目標
経費構造の見直しにより、5%分の利益改善を目指す。
③設備投資は売上+50%増までに抑える
 投資赤字を避け、償却(リース)は売上の10%以内に設定。
 中古車やリース期間を調整し、資金繰りを安定させる。

この内容が整理されているだけで、
成長のための投資計画や融資相談にも十分な説得力を持つ計画書となります。

次回予告

中小企業が 大手並みの生産性(販管費率) を実現するためには、まず何台のトラックを保有すればよいのか?
「第一目標台数」について解説します。

グリーンベルグループでは、ファイナンス面・トラックなどの設備投資面・経営ノウハウ面から、
運送会社の黒字成長を総合的に支援しています。

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